続かないとき、僕はずっと気合いの問題だと思っていた。
今回、厚生労働省が出している運動のガイドを読んでみた。国がどれくらいを推奨しているのかを一度も確認しないまま、自己流で何年も遠回りしていたことに気づいた。
書いてある量は、想像していたものとだいぶ違った。
国が推奨している量
「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月)の成人向け推奨事項は、こうなっている。
| 項目 | 推奨 |
|---|---|
| 身体活動 | 強度3メッツ以上を週23メッツ・時以上 |
| 〃(わかりやすい言い方) | 歩行かそれ以上の強度を1日60分以上(1日約8,000歩以上に相当) |
| 運動 | 強度3メッツ以上を週4メッツ・時以上 |
| 〃(わかりやすい言い方) | 息が弾み汗をかく程度を週60分以上 |
| 筋力トレーニング | 週2〜3日(週4メッツ・時の運動に含めてもよい) |
| 座位行動 | 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する |
そして、こう添えられている。
個人差等を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす。
読んで思ったこと
「身体活動」と「運動」が分けて書いてある。
身体活動のほうは1日60分、約8,000歩。これは通勤と移動でかなり埋まる量だ。運動のほうは週60分。筋トレは週2〜3日。
つまり、大半はジムに行く前の話だった。僕はいつも「ジムに入るか、何もしないか」の2択で考えていたけど、ガイドが置いている土台はもっと手前にある。
そして最後の一文が大きい。「今よりも少しでも多く」。これは「週23メッツ・時に届かないなら意味がない」とは書いていないということだ。
目標を体重で置くのをやめた
体重を目標にすると、数字が動かない週に全部が止まる。
体重は水分でも食事の時間でも動く。1週間の努力とその日の数字は、対応していない。なのに数字を見て「意味がなかった」と判断してしまう。
置き直したほうがいいのは、自分で動かせるものだと思う。
- 週に何回、家を出たか
- 座りっぱなしの時間を何回中断したか
- 歩数が平日どれくらいだったか
ガイドの推奨も、体重ではなく行動の量で書かれている。週23メッツ・時、週2〜3日の筋トレ、1日60分。どれも「やったかどうか」で判定できる。
判定できる目標に置き換えるだけで、止まる回数が減る。
記録は毎日つけなくていい
記録アプリが3日で止まるのは、記録する項目が多すぎるからだと思っている。
体重、食事、運動時間、水分。全部を毎日入れる設計になっていて、1日飛ばすと空欄が気になって開かなくなる。
減らすなら、週1回、1項目でいい。
- 日曜の夜に、その週に家を出た回数だけ書く
これなら1週間飛ばしても、次の日曜に再開できる。毎日つける記録は、止まったときに戻れない。
週2を3ヶ月より、週1を半年
回数を増やすほど早いのは確かだ。ただ、続く確率は下がる。
週2は、予定が1つ崩れると週1になる。そこで「今週はもういいか」になって、翌週も飛ぶ。僕が何度も通ったパターンがこれだ。
週1なら、崩れたときに「今週はゼロ」になる。ゼロは分かりやすい。翌週に戻せる。
ガイドの筋トレ推奨は週2〜3日だけど、そこに届かない週があっても記録は続く。ゼロにするか、届かない週として記録するかの違いは大きい。
「行きたくない日」を先に設計しておく
行きたくない日は来る。来てから考えると、だいたい行かない。
先に決めておくと機能するのは、この3つだった。
-
行くか行かないかではなく、短くする
30分だけにする、と先に決めておく。ゼロと短縮の間に選択肢を1つ置く。 -
着替えるところまでは実行する
着替えてから決める。僕の場合、止まる場所は玄関だった。着替えは終わっていることが多い。 -
予定として入れておく
「時間ができたら行く」は実行されない。カレンダーに入っていないものは、後回しの対象にすらならない。
一人だと止まるのに、人がいると続く
これは仕組みの話で、根性の話ではないと思う。
一人でやると、やめる判断を自分ひとりで下せる。誰にも説明しなくていいので、やめるコストがゼロになる。
予約があると、キャンセルの連絡が要る。報告する相手がいると、報告しない週があることが自分で見える。やめるコストが少し上がるだけで、実行率が変わる。
指導を受けることの価値は、正しいやり方を教わることよりも、この部分のほうが大きいかもしれないと思っている。少なくとも僕の場合、やり方が分からなくて止まったことは一度もない。毎回、行かなくなって止まっている。
「続ける前提」が契約に書いてあるところもある
調べていて、これは想像していなかった。
tough brawn(男性向け)は「結果にご満足いただけなかった場合は、全てのコースで全額返金いたします。」と書いていて、その返金規定が公式ページで読める。中身を見ると、返金を受けられない場合として、こう並んでいる。
(3)トレーニング当日のキャンセル及び遅刻が2回以上あった場合
(4)トレーナーと取り決めたプログラムや食事指導を守らなかった場合
(5)食事の報告を行わなかった日が3日以上ある場合
返金保証の条件が、そのまま「続けたかどうか」の判定になっている。 当日キャンセル2回、食事報告の空白3日。ここが線だと事前に分かる。
保証の話としては厳しく見えるが、僕が止まってきた場所そのものでもある。同じページには「日々の食事内容をLINEでトレーナーに送り、セッション時に食事指導を受けられます」とも書かれていて、報告する相手がいる形が最初から組み込まれている。
数字が出ているのがいいと思った。「ちゃんと通ってください」ではなく、2回と3日で書いてある。自分が守れる線かどうかを、契約する前に考えられる。
通うのが続かないなら、通わない形もある。オンラインで指導を受ける形なら移動時間がゼロになるので、止まる場所が1つ減る。
どちらが向くかは、止まる場所がどこかで決まる。
- 予約は取るけど当日に行かない → 通う形が合っていない可能性がある
- 一人だと何もしない → 誰かに報告する形が要る
- やり方が分からなくて不安 → 指導そのものが要る
停滞したときに確認すること
しばらく変化が見えなくなる時期は来る。
そこで極端なことを始めると、だいたい元に戻る。食べる量を大きく減らす、回数を急に増やす、といったやり方は、続かないうえに体調を崩す。この記事ではその方向は勧めない。
確認するのは、やめていないかどうかのほうだと思う。
- 週に家を出る回数は減っていないか
- 記録は続いているか
- 座りっぱなしの時間が増えていないか
ガイドの但し書きに戻ると、「今よりも少しでも多く身体を動かす」と書いてある。減らしていなければ、その時点では負けていない。
まとめ
- 厚労省のガイドは、成人に 週23メッツ・時以上の身体活動(1日60分・約8,000歩)/週60分以上の運動/週2〜3日の筋トレ を推奨している
- 但し書きは「可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く」。届かないなら無意味、とは書かれていない
- 目標は体重ではなく行動の量に置く。自分で動かせるものだけを数える
- 記録は週1回・1項目でいい。毎日の記録は止まったときに戻れない
- 週2を3ヶ月より、週1を半年。崩れたときに戻せる形にする
- 行きたくない日は先に設計する。短縮・着替えまで・予定に入れる、の3つ
- 一人で止まるのは根性の問題ではない。やめるコストがゼロだから
- 返金保証の条件に当日キャンセル2回・食事報告の空白3日という線を書いているところがある。続ける前提が契約の側にも出ている
- 停滞したら、極端なことを始めずにやめていないかを確認する
自分がどこで止まるかが分かると、必要なものが変わる。やり方を教わるのが要るのか、報告する相手が要るのか、移動をなくすのが要るのか。 そこを取り違えると、何度でも同じところで止まる。
出典
- 厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」(令和6年1月)推奨事項 成人版 ― 週23メッツ・時、1日60分(約8,000歩)、運動 週4メッツ・時(週60分)、筋力トレーニング週2〜3日、座位行動、および「個人差等を踏まえ、可能なものから取り組む。今よりも少しでも多く身体を動かす」の但し書き(2026年9月12日確認)
- tough brawn(last-style.com/tough-brawn/)― ページ内の「返金規定」(「返金規定を詳しく読む」から開く)の第6項、および食事報告についての記載(2026年9月12日確認)
体調に不安がある場合や持病がある場合は、運動を始める前に医療機関に相談してほしい。この記事は一般的な情報の整理で、個別の健康状態についての助言ではない。
